保証人を頼める人がいない。
それでも賃貸を借りる方法

親族と疎遠、頼れる人がいない、高齢で周囲に迷惑をかけたくない—— 連帯保証人や緊急連絡先を用意できずに部屋探しをあきらめかけている方は少なくありません。 しかし現在の賃貸市場では連帯保証人なしで借りられる物件が主流になっており、 緊急連絡先についても代替手段があります。この記事では「誰に何を頼めないか」の状況別に、現実的な選択肢を整理します。

この記事でわかること

  • いまの賃貸は保証会社の利用が主流で、連帯保証人を求められる物件はむしろ少数派
  • 緊急連絡先は親族限定でないことが多く、友人・知人・勤務先で通る場合がある
  • 緊急連絡先すら用意できない場合も、不要とする保証会社や見守りサービス併用の物件がある
  • 高齢・身寄りなしの場合は、自治体の居住支援法人が保証・見守り・物件紹介を無料で支援してくれる

まず整理: 「保証人」と「緊急連絡先」は別物

入居申込で求められる「人」には2種類あり、責任の重さが全く違います。 自分がどちらを用意できないのかを先に整理すると、打ち手が明確になります。

連帯保証人と緊急連絡先の違いの図解。連帯保証人は滞納時に代わりに支払う義務があり保証会社の利用でほぼ不要にできる。緊急連絡先は連絡窓口で支払い義務は一切なく、友人・知人でも可の場合が多い。
連帯保証人と緊急連絡先は責任の重さがまったく違う
連帯保証人緊急連絡先
役割滞納時に代わりに支払う義務を負う本人と連絡が取れないときの連絡窓口
支払い義務あり(極度額まで)一切なし
なり手の条件収入のある親族が原則親族以外でも可の場合が多い
代替手段保証会社の利用でほぼ不要にできる不要とする保証会社・サービスもある

「保証人がいない」の大半は保証会社で解決する

2020年の民法改正で連帯保証人に極度額(責任の上限額)の明示が必要になって以降、 大家側も個人の連帯保証人より保証会社を好むようになりました。 現在は新規契約の8割以上が保証会社利用とされ、「連帯保証人必須」の物件の方が少数派です。

連帯保証人を頼めない場合 → 保証会社で解決

連帯保証人を用意できない場合の答えはシンプルで、保証会社利用可の物件を選ぶことです。 初回保証料(家賃の50〜100%程度)と年間更新料(1万円前後)がかかりますが、 人に頭を下げる必要がなく、審査は収入と過去の滞納歴で判断されます。

注意したいのは、保証会社の審査に通らない場合です。過去に家賃滞納やクレジットカードの延滞があると、 信販系の保証会社では審査に落ちることがあります。その場合は保証会社の系統を変えて独立系の物件に申し込むか、保証会社なしで借りられる物件(UR・公営住宅など)を検討します。

緊急連絡先を頼めない場合の4つの手段

保証会社を使う場合でも、緊急連絡先(1名)はほぼ必ず求められます。 「支払い義務はない連絡窓口」であることを説明したうえで、次の順に検討してください。

1

友人・知人に頼む

親族限定でない保証会社なら友人・知人で通ります。「支払い義務はなく、私と連絡が取れないときに電話が行くだけ」と伝えて了承を得ましょう。

2

勤務先を指定する

会社の総務や上司を緊急連絡先にできる保証会社もあります。在籍確認を兼ねられるため、審査がスムーズになる場合もあります。

3

緊急連絡先不要の保証会社・物件を探す

数は少ないものの、緊急連絡先なしで契約できる保証会社があります。不動産会社に「緊急連絡先を用意できない」と正直に伝えて物件を絞ってもらうのが早道です。

4

居住支援法人に相談する

都道府県が指定する居住支援法人が、緊急連絡先の引き受けや見守りサービスの提供を行っている地域があります(次のセクションで詳述)。

名義貸しサービスには注意

インターネット上には有料で緊急連絡先や在籍確認を「代行」する業者がありますが、 虚偽の申告は契約解除事由になり、発覚すると住まいを失うリスクがあります。 割高な料金トラブルも多いため、利用は避け、上記の正規の手段で解決してください。

高齢・身寄りがない場合の居住支援制度

高齢で身寄りがない、生活が苦しく頼れる人がいない——そうした方のために、 公的な住まいのセーフティネットが整備されています。いずれも無料で相談できます。

制度・窓口何をしてくれるか相談先
居住支援協議会・居住支援法人保証人がいない人への債務保証、物件紹介、見守り都道府県・市区町村の住宅課
UR賃貸住宅保証人・保証会社とも不要。礼金・仲介手数料もなしUR営業センター
公営住宅(都営・市営など)低所得者向けの低家賃住宅。保証人要件を廃止する自治体が増加自治体の住宅課
社会福祉協議会生活資金の貸付や生活相談とあわせた住まい相談市区町村の社協窓口

「住宅確保要配慮者」向けの支援は拡充が続いている

高齢者・低所得者・ひとり親などは法律上「住宅確保要配慮者」と位置づけられ、 入居を拒まないセーフティネット登録住宅の整備や居住支援法人による保証が広がっています。 ひとりで抱え込まず、まず自治体の住宅課に「保証人がいなくて部屋を借りられない」と相談してみてください。

よくある質問

連帯保証人も緊急連絡先も頼める人がいません。部屋は借りられますか?

借りられます。連帯保証人は保証会社の利用で不要にできる物件が大半です。緊急連絡先は親族以外(知人・勤務先)で認められる場合が多く、どうしても用意できない場合は緊急連絡先不要をうたう保証会社や、見守りサービスとセットで貸す物件もあります。

緊急連絡先は友人でも大丈夫ですか?

保証会社・物件によりますが、親族限定でなければ友人・知人でも受け付けられるのが一般的です。事前に「連絡が行く可能性がある」ことを本人に伝えて了承を得ておくとトラブルを防げます。なお緊急連絡先に支払い義務は一切ありません。

身寄りがない高齢者ですが、賃貸を借りる方法はありますか?

各自治体の居住支援協議会・居住支援法人が、保証人がいない高齢者向けの入居支援(債務保証・見守り・物件紹介)を行っています。UR賃貸や公営住宅、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)も保証人不要の選択肢です。

関連する解説

コラム・ガイド一覧を見る