
家賃滞納は何ヶ月で強制退去?
追い出されるまでの流れと止め方
公開日: 2026年7月25日
この記事はこんな人向けです
- ・家賃を滞納していて「追い出されるのでは」と不安
- ・何ヶ月滞納したら強制退去になるのか知りたい
- ・大家や管理会社に「出て行け」と言われた
- ・訴状や内容証明が届いてどうすればいいか分からない
「今月払えなかったら追い出されるのでは」という不安を抱えている方へ。結論から言うと、1〜2ヶ月の滞納でいきなり追い出されることは法律上ありません。 強制退去には裁判所の手続きが必須で、滞納開始から実際の強制執行までは平均5〜7ヶ月かかります。 そして、その間のどの段階でも「支払う意思を示して行動する」ことで流れを止められる可能性があります。

「追い出される」と焦る気持ちは分かりますが、法律はあなたを守っています。1ヶ月の滞納で追い出されることは法律上ありません。この記事で「今自分がどの段階にいるか」を確認してください。
まず知っておくべき3つの事実
- 法律に「◯ヶ月滞納で退去」という規定はなく、判例上「3ヶ月分程度以上」の滞納が契約解除の目安
- 裁判なしの鍵交換・荷物処分・締め出しはすべて違法。契約書に特約があっても無効
- 判決前に滞納を解消するか和解が成立すれば、住み続けられる可能性が残る
強制退去までのタイムライン(標準的なケース)
各段階の「止めやすさ」に注目してください。早いほど選択肢が多く、費用も少なく済みます。
- 滞納 数日〜1ヶ月今すぐ止められる
電話・SMS・ハガキでの督促
保証会社や管理会社から電話・SMSで支払い確認の連絡が来ます。この段階は「引落し口座の残高不足かも」といううっかりミスを想定した丁寧な案内が中心です。折り返して支払日を伝えれば、それ以上は何も進みません。
- 滞納 1〜2ヶ月まだ十分止められる
書面での督促、緊急連絡先や職場への連絡
電話に出ない状態が続くと、督促状などの書面が自宅に届くようになります。それでも本人と連絡が取れない場合、契約書に記載した緊急連絡先や、場合によっては職場に連絡が入ることがあります。この段階までに折り返して支払計画を伝えれば、周囲への連絡は止められます。
- 滞納 2〜3ヶ月まだ止められる
連帯保証人への連絡・請求、代位弁済
連帯保証人がいる契約では、連帯保証人に支払いの請求が入ります。保証会社利用の物件では、保証会社が大家へ家賃を立て替え(代位弁済)し、以後は保証会社があなたに返済を求める形に変わります。この段階までに分割払いや支払計画を提案すれば、法的手続きに進まずに済む可能性があります。
- 滞納 3ヶ月急いで動けばまだ止められる
自宅訪問、内容証明郵便による催告・契約解除通知
電話・書面に応答がないと、担当者が自宅を訪問して手紙を残していくことがあります。裁判実務では家賃3ヶ月分程度の滞納が「信頼関係破壊」の目安とされ、内容証明郵便で契約解除の通知が届きます。この段階でも、滞納分を支払うか現実的な分割案で合意できれば訴訟は回避できる可能性があります。
- 滞納 4〜5ヶ月和解での解決がまだ可能
建物明渡請求訴訟の提起
契約解除後も支払い・退去がない場合、裁判所に建物明渡請求訴訟が起こされ、自宅に訴状が届きます。最も重要なのは、指定期日に欠席しない(答弁書を出す)ことです。出席して分割払いなどの和解案を出せば、住み続けられる可能性が残ります。
- 滞納 約6ヶ月〜止めるのは困難に
判決確定・強制執行の申立て
明渡しを命じる判決が確定すると、大家は強制執行を申し立てられます。申立てから執行官の「催告」まで約2週間、催告から実際の「断行」まで約4週間です。
- 断行日
強制執行(強制退去)
裁判所の執行官が物件を訪れ、家財道具を全て搬出して鍵を交換します。退去しても未払い家賃・遅延損害金・執行費用の支払い義務は残ります。

タイムラインを見ると分かるように、早い段階で連絡するほど選択肢が多いです。「もう手遅れかも」と思っていても、訴状が届く前なら十分間に合います。
「信頼関係破壊の法理」とは — なぜ3ヶ月が目安なのか
賃貸借契約は生活の基盤に関わるため、借主は借地借家法などで強く保護されています。 大家が契約を解除するには、単なる債務不履行では足りず、「貸主と借主の信頼関係が破壊されたと言える程度の事情」が必要です。
裁判実務では、家賃3ヶ月分程度以上の滞納が信頼関係破壊と判断される傾向にあります。 ただし機械的に決まるわけではなく、滞納の常習性、督促への対応(無視し続けたか、誠実に連絡したか)なども総合的に考慮されます。 逆に言えば、連絡を取り支払う意思を示し続けることが、法的にもあなたを守ります。
こんな行為をされたら、それは違法です
裁判手続きを経ない実力行使は「自力救済の禁止」に反し、違法です。
- 無断で部屋の鍵を交換して締め出す
- 室内の荷物を勝手に運び出す・処分する
- ドアに「出て行け」などの張り紙をする
- 深夜・早朝の督促、勤務先への執拗な取り立て
もし実行された場合は、法テラスや弁護士にすぐ相談してください。
各段階で流れを止める方法
よくある失敗パターン
❌ 「出て行け」と言われたので荷物をまとめ始めた
大家や管理会社の口頭での「出て行け」には法的効力がありません。裁判所の判決なしに退去する義務はないのに、慌てて引っ越し費用を使ってしまった。
❌ 訴状が届いたが「どうせ負ける」と思って欠席した
欠席すると相手の主張を全て認めたことになり、最短で判決が出る。出席して和解を申し出れば、分割払いで住み続けられた可能性があった。
❌ 内容証明を受取拒否した
受取拒否しても法的には「到達した」とみなされるため、何の意味もない。むしろ「誠意がない」と裁判で不利に働く材料になった。
本音のQ&A
Q. 退去すれば滞納分は払わなくてよくなる?
A. いいえ。退去後も未払い家賃・遅延損害金の支払い義務は残ります。金額が大きく返済が困難な場合は、債務整理で解決できる可能性があります。
Q. 生活保護を受ければ退去は防げる?
A. これからの家賃は住宅扶助でカバーできますが、過去の滞納分の支払い義務は消えません。ケースワーカーや弁護士に早めに相談してください。
Q. 強制退去になると次の部屋は借りられない?
A. 明渡訴訟で敗訴した履歴や保証会社の滞納情報は、次の入居審査に影響する可能性があります。ただし保証会社の系統によって情報共有の範囲は異なります。
Q. 大家に「来月までに出て行け」と言われたが従わないとダメ?
A. 従う義務はありません。裁判所の判決なしに退去を強制することはできません。口頭で言われただけなら法的効力はありません。
この記事を読んだあなたが今日やること(1つだけ)
まだ訴状が届いていないなら、保証会社(または管理会社)に電話してください。 「支払いが遅れている件で、分割のご相談をしたい」と伝えるだけで、流れを止められる可能性があります。
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