生活保護で家賃はいくらまで?
住宅扶助の仕組みと滞納がある場合の申請

収入が途絶えて家賃が払えず、督促も止まらない——。その状況が続くなら、 生活保護は検討すべき正当な選択肢です。生活保護には家賃に充てる「住宅扶助」が含まれており、滞納があっても申請できます。 この記事では住宅扶助の仕組みと、申請前に知っておくべき現実的なポイントを解説します。

この記事でわかること

  • 生活保護には家賃分の「住宅扶助」が含まれ、地域・世帯人数ごとの上限額まで実費支給される
  • 家賃滞納があっても申請可能。ただし滞納分の返済には保護費を充てられないのが原則
  • 今の家賃が上限超過なら転居指導の対象。転居費用は一時扶助で支給される場合がある
  • 申請は福祉事務所へ。「申請の意思」を明確に伝えれば、原則14日以内に決定される

住宅扶助とは — 家賃はどう支給されるか

生活保護費は「生活扶助(食費・光熱費など)」と「住宅扶助(家賃)」などの組み合わせで構成されます。 住宅扶助は実際の家賃額を上限の範囲内で実費支給する仕組みで、 生活費とは別枠です。多くの自治体では、受給者の家賃滞納を防ぐため、 福祉事務所から大家・管理会社へ家賃を直接支払う「代理納付」も利用できます。 代理納付にすれば、保護開始後の新たな滞納を構造的に防げるため、 大家にとっても安心材料になり、賃貸契約の維持にも役立ちます。

代理納付は督促を止める仕組みとしても有効

保護開始後の家賃が確実に支払われるため、保証会社・管理会社からの督促の原因そのものがなくなります。 申請時にケースワーカーへ「代理納付を利用したい」と伝えておくとスムーズです。

生活保護の住宅扶助と代理納付の仕組み: 福祉事務所から大家へ家賃が直接支払われるため滞納が起きない図解
代理納付の仕組み — 家賃は役所から大家へ直接支払われる

上限額の目安と超えている場合の転居指導

住宅扶助の上限(基準額)は「級地」と呼ばれる地域区分と世帯人数で決まります。 単身世帯の目安は次のとおりです(実際の額は必ずお住まいの福祉事務所で確認してください)。

地域の例単身世帯の上限の目安備考
東京23区(1級地-1)53,700円2人世帯は64,000円など人数で増額
政令市など都市部40,000〜48,000円前後自治体により異なる
地方都市・町村部30,000〜38,000円前後自治体により異なる

※ 金額は目安です。基準は改定されることがあるため、正確な額は福祉事務所または自治体サイトでご確認ください。

家賃が上限を超えている場合

上限超過でも申請は可能で、超過を理由に却下されることはありません。 ただし保護開始後に「基準内の物件への転居指導」を受けるのが一般的です。 指導による転居では、敷金等・引っ越し代が一時扶助(住宅維持費・移送費)として 支給される場合があり、自己負担なしで家賃水準を下げられる可能性があります。

家賃を滞納している状態での申請はどうなるか

滞納の有無は保護の要否判定に影響しません。ポイントは「過去の滞納分」と「これからの家賃」を 分けて考えることです。

対象生活保護でカバーされるか対応
これからの家賃住宅扶助で支給される(上限内)代理納付にすれば新たな滞納を防げる
過去の滞納分保護費を返済に充てることは原則想定されていない保証会社・管理会社に分割の相談。法テラスの無料相談も活用
立ち退きを迫られている場合状況により住宅確保の支援につながる申請時に必ず伝える。退去強制の前に相談が鉄則

督促の電話には「申請中」と伝えてよい

生活保護の申請中・受給予定であることは、保証会社への説明材料になります。 「申請が通れば代理納付で家賃を確実に支払える」ことを伝えると、 督促の段階進行を待ってもらえる可能性があります。伝え方は電話のかけ方(台本)を参考にしてください。

申請の流れ5ステップ

1

福祉事務所(自治体の生活支援課など)へ行く

住まいのある自治体の福祉事務所が窓口です。電話で事前に相談日時を決めると待ち時間を減らせます。

2

「生活保護を申請します」と明確に伝える

「相談」だけで終わらせず申請の意思を伝えることが重要です。申請権は法律で保障されており、窓口で申請を拒むことはできません。

3

資産・収入の調査に協力する

預貯金・収入・扶養照会などの調査があります。原則14日以内(最長30日)に決定されます。

4

決定後、住宅扶助の代理納付を依頼する

家賃の支払いを福祉事務所から直接行う形にすれば、以後の滞納を防げます。

5

滞納分は別途、分割相談・法テラスで対応する

過去の滞納は消えないため、受給開始を伝えたうえで現実的な分割額を相談します。無料の法律相談は法テラスが利用できます。

よくある質問

家賃を滞納していても生活保護は申請できますか?

申請できます。滞納の有無は生活保護の要否判定に影響しません。ただし保護費から過去の滞納分を返済に充てることは原則想定されていないため、滞納分は別途、管理会社・保証会社との分割相談や法テラスへの相談で対応する必要があります。

生活保護の家賃(住宅扶助)はいくらまで出ますか?

住宅扶助には地域と世帯人数ごとに上限額があります。例えば東京23区の単身世帯で53,700円(2026年時点の基準)など、自治体によって異なります。今の家賃が上限を超えている場合、転居指導を受けることがあります。

今の家賃が住宅扶助の上限を超えています。引っ越さないとだめですか?

上限を超えていると福祉事務所から転居指導を受けるのが一般的です。転居が必要になった場合、敷金等・引っ越し代は生活保護の一時扶助(住宅維持費・移送費)で支給される場合があります。自己負担なしで住み替えられる可能性があるため、ケースワーカーに確認してください。

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